【フグ】
漢字表記 河豚
フグ目 フグ科
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●フグってどんなお魚?
フグ科に分類される魚はおよそ120種いると言われています。
フグといえば、「毒のある魚」としてよく知られていますね。
フグの食用可能な部位はフグの種類や漁獲場所によって異なるため、素人によるフグの取扱いや調理は危険です。
「フグ取扱資格」という資格もあり、厳しい自治体では、飲食店営業の際にこの資格を持つ者やフグ取扱の許可が必要になります。
漢字で「河豚」と表記しますが、「河」と書くのは中国で食用とされるメフグが河川など淡水域に生息する種であるためです。また、このメフグが豚のような鳴き声を発することから「豚」の文字があてられているとされています。
食用にする種としてトラフグ、マフグなどが有名です。
特にトラフグが高級魚として知られています。
フグ料理は、一般的に高級料理として旬の冬場に食べられ、食用フグの7割が京阪神地域で消費されており、特に大阪での消費量は全消費量の6割に達しています。
近年は養殖により季節を問わず食べることが可能になっています。
フグの肝臓(ハラワタ)は多くの食通をうならせるほど美味しいと言われています。
フグには、さまざまな地方特有の呼び方があります。
・ふく
下関や北九州などでは「ふく」と呼ばれます。
「不遇」あるいは「不具」につながる「ふぐ」ではなく、縁起をかついで「福」につながる「ふく」と呼びます。
・てっぽう
大阪では「たまに(偶に)当たる」を「弾に当たる」「当たると死ぬ」に掛けたシャレから「てっぽう」と呼びます。
「てっさ(てっぽうのさしみ)」「てっちり(てっぽうのちり鍋)」という料理名はここから来ています。
・がんば
長崎県島原地方でフグを指す方言「がんば」は、「がんば置いてでん食わんば(棺桶を置いてでも食わねば)」の略といわれています。
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●フグの形態
フグといえば、敵を威嚇するために体を膨らませる姿がよく知られています。
イラストなどでも、ぷっくりとした姿が可愛らしく描かれることが多いですよね。
この姿から英語では「ふくらむ魚」という意味を持つ語(puffer fish)で呼ばれています。
フグは胃の腹面の膨張嚢に空気や水を吸い込んで体の体積を2倍以上にすることができます。
腹部にとげ状の短い突起がある種もいます。
歯(顎歯)がよく発達しており、融合した強靭な4つの歯を持っています。
フグ科の学名もこの「4枚の歯」に由来しているそうです。
噛む力は細い針金程度なら容易に切断できるほど強いため注意が必要です。
養殖のものでは、フグ同士がストレスにより喧嘩で噛みつき合って怪我をすることがあるため、品質が落ちるだけでなく怪我が原因で病気になることもあります。
そのため「歯切り」が行われることもあります。
主に海水魚ですが、汽水や淡水に生息する種もいます。
一般的に硬骨魚はまぶたを持ちませんが、フグは油瞼という膜で目を覆っています。
といっても瞬間的に開閉するものではなく、十数秒かけてゆっくりと閉じたり開いたりするものです。
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●漁法
定置網、はえ縄、一本釣りなど
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●フグの旬
「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われ、一般的にフグの旬は「冬」とされています。
青森では冬から春にかけてマフグが漁獲されます。
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●おすすめの食べ方
・ふぐ刺し(てっさ)
ふぐ刺しはフグの身の刺身のことです。
関西ではフグのことを「テッポウ」と呼ぶことから、「テッポウ刺し」を略して「てっさ」と呼ばれます。
フグ肉は、繊維質であり、普通の刺身では弾力がありすぎて噛み切ることが難しいため、切り身が透けて見えるほどの「薄作り」で身を細く包丁で引いて刺身にします。
コリコリとした食感が特長です。
・フグ鍋・フグ雑炊
ふぐ鍋は、魚の切り身鍋を指す「ちり」をつけて「ふぐちり」とも呼ばれます。
関西では特に「てっちり」とも呼ばれます。
てっちりは、毒にあたると死ぬフグと弾にあたると死ぬ鉄砲とをかけた呼び名で、「鉄砲鍋」とも言われているそうです。
ふぐ鍋は、昆布などで取った出汁に、フグの切り身や骨を野菜などと一緒に土鍋に入れて煮込みます。
付けダレとして、ふぐ刺しと同様にポン酢を用いることが一般的です。
江戸前のふぐ鍋では、割り下に大量の醤油と砂糖を用いた、非常に甘辛い味付けも好まれていました。
鍋を食べた後に鍋の残りを塩で味を調整して、ご飯を入れて煮立たせると、ふぐ雑炊となります。
・唐揚げ
唐揚げも定番の料理です。
ぶつ切りにしたフグの身を小麦粉(薄力粉)でまぶして、油で揚げたもので、ポン酢のたれや塩をまぶしていただきます。
・白子料理
白子は雄のフグの精巣のことです。
産卵期の1月から3月頃に取れたものが一番美味しく、最も高価な料理とされています。
白子焼き、白子揚げ、白子豆腐などの一品料理として出されることが多いです。
・煮凝り
フグの皮を野菜や椎茸などと煮込み、冷蔵庫で冷やしたものです。
フグ皮のコラーゲンがゼリー状に固まります。
・フグ酒
フグの部位を日本酒に浸した「フグ酒」も広く知られています。
「ふぐのひれ酒」は、ふぐのヒレの部分を干物に加工し、これを火で炙ったものを熱燗にした日本酒に入れて、味の変化を楽しみます。
「ふぐの白子酒」は、ヒレの代わりにフグの精巣である白子を入れたもの。
他に、フグの骨を炙ったものを入れる「ふぐの骨酒」なども知られている。
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今週は「フグ」をご紹介しました。
旬の海産物を美味しくいただきながら、青森の春夏秋冬を楽しんでみてくださいね(о´∀`о)!
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